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2004年 3月 2004/3/1 (月)「乱歩R」は腰抜けシナリオドラマだな……っていうかもうまともに見てないですけど。来週は「怪人二十面相(前編)」ですが、これもそれっぽいだけの話なんでしょうね……。 プリキュア。 ■[感想]「明日の夜明け」時無ゆたか[角川スニーカー文庫]「初めまして……かな。本当に出会うのは多分、これが初めて」綺音は小さく笑った。 第6回スニーカー大賞優秀賞。優秀賞止まりなのは地味さゆえということもあるでしょうか。タイトルも地味、表紙も地味、中身も地味。でも読ませます。絶賛とは言いませんが、わりとうちを見てる全方位の人におすすめの作品です。それ以上のことを書いちゃうのはちょっともったいないタイプの内容で、いきなり読んでみるのがベストではあると思います。 そんなわけであらすじとか知りたい人はネット書店とか行って読んでください。ひとことだけ書いておくと、不思議な霧に包まれて学校から出られなくなった高校生たちがひと晩に体験する出来事――ってことで。場面転換を多用しているのもうまいし、登場人物の心理の動きもうまいです。ミステリとしても楽しめますし、非ミステリとしても楽しめますが、大きく見て、動機とか並みのミステリではありえないことになってます。にやにや。 しかしまあ、ライトノベルとしては地味な(というかネタになりにくい)感じを続けてラストでそれやりますか!という感じ(^〜^;) 評価とは無関係にウケるとこですね。 2004/3/2 (火)■[感想]「クレオパトラの夢」恩田陸■[感想]COMIC HIGH vol.1「業界初!? 男性向け少女漫画誌(?)誕生!!」というコピーのわりにフツーの青年誌でした。変なオーラとか出てません。ともかく、山名沢湖や新井葉月も読める、と考えると良いですね。山名さんのはいままでにないページ数&ペースの連載。ページ数を活かした良い話だと思います。話数を重ねることでより面白くなっていく作品だとも思うので、これから楽しみです。 ■出直したほうがいいのかも(^〜^;)そうですね。その通りだと思います。 もやもや思ってるところは近いようにも思うのですが、わたしの書いたのはそのあたりをちゃんと把握して言葉に出来ていなかったようです。小宮さんの書かれてることを読んで納得しちゃうのにもまだ言葉が足りない気はするんですが。 ■この講談社がすごい!最後に出版されたメフィスト賞受賞作、小路幸也「空を見上げる古い歌を口ずさむ」はけっこうヤングアダルトっぽい作品なのですけど、蘇部健一「ふつうの学校」シリーズも青い鳥文庫だし、 浅暮三文「10センチの空」もそっち寄りな感じですよね。何よりかつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランドがありますし(綾辻行人や田中芳樹も予定にあるんですね。……ホントに出るのか?(^〜^;))、わりとライトノベルに親和的なあたりが集まってる「ファウスト」とは別ルートで、このあたりずいぶんヤングアダルト展開してる感じだなあ、と。これがはやみねかおるだと順番が逆ですけど。 上の話とはまったく関係ないんですが、講談社の本のおまけというか抱き合わせ商品と言うか、やりたい放題ですね。新しい方から記憶にあるだけで、豆本・CD-ROM・トレカ・フィギュア……。次は何でしょうね(^〜^;) ……っていうかここまで来ると、もう何でもいいんじゃないかって感じもしますが。テーマ曲CDはどっかで見た人が別の出版社でやってたりするようです。密室本ってのもあったなあ。 2004/3/3 (水)ライトノベルのレーベルで出てたシリーズが、学習雑誌に連載されてヤングアダルトのレーベルで出てる、ってのは珍しいですね。読んだことないんですが、売れてるんでしょうか? 2004/3/4 (木) トリシア先生シリーズはおそらく売れ行きそのものはまあボチボチというレベルだと思います(なんせ題材が題材だし)。 いや何かすでにセカイ系についてはおなかいっぱいという感じなのですが、はてなの中の人たちはどうしてこんなに盛り上がってるのでしょう……。 そういえば、「指輪」とか「ロードス島」とか「スレイヤーズ」みたいな、大雑把にいうと「西洋中世風ファンタジー」みたいな作品(ひとつも読んでない(^〜^;))はたくさんあるし、海外のそうした作品なら早川や創元からも出てますが、それでデビューしようとしたら内容の硬軟に関わらずライトノベルかヤングアダルトに行くしかないんでしょうね、と思った今日この頃。まあ、いまに始まったことではないのでしょうけど。 委員長顔(03/02) 「試読本サイト」オープン!!(【FANTASY Bookmark】) 2004/3/5 (金) はてなダイアリー - hatenaamazonの日記 ■「ライトノベル→ヤングアダルト」の話(きのうとおとといのつづき)反応をいただいた(200403-04)ので、きのうとおととい書いたことについてあらためて書いておきます。 一般小説を書いてる作家がヤングアダルト(児童小説)を書くことは珍しくないだろうし、ヤングアダルトを書いてる作家が一般小説を書くのも珍しくはないでしょう。「ライトノベル→一般」というのも珍しくはないわけで「ライトノベル→一般小説→ヤングアダルト」という順番で書いた作家も(たぶん)いるんじゃないかと思います(その逆についてはちょっとわかりませんけど)。 でも、ライトノベルとヤングアダルトは近いところにあるジャンルなのに直接「ライトノベル→ヤングアダルト」、「ヤングアダルト→ライトノベル」というのはほとんどなくて件の作品(というかその作者)は珍しいんじゃないのかどうなのか……。 ――という話です>おととい書いたこと 「ヤングアダルト→ライトノベル」だと、荻原規子、はやみねかおるあたりはそうなんでしょうね。 ……ああしかし、「ヤングアダルト=児童小説」という意味で普通に使っているわけなのですけど、ふと思ったのですがこれってそれほど通じない用法なのかもしれませんね。考え直したほうがいいかな……。 2004/3/7 (日) きのうはちょっとトラブって更新出来ず。やっぱりしょーもないところでつまづいてましたよ……。 CUTTING EDGE終了。 一字の違い その感想ですが、固有名詞については個人的に外したくないので、その変わりに前後の文章をちょっと直しました。 ヴァーチャル読書会 ■[感想]「さよなら妖精」米澤穂信父親の仕事の都合で日本へとやって来たユーゴスラヴィヤの少女、マーヤ(さあ、これだけで興味を持った方はさっそく読みましょう(笑))。雨の中で彼女と出会った「あまり、入れ込みすぎないほうがいい」と語る弓道部員の高校生・守屋路行(もりや・みちゆき)と「そのすがるような眼はやめてくれない?」と語る無愛想な友人、太刀洗万智(たちあらい・まち)。 何かあるたびに「なにか哲学的理由がありますか?」と尋ねるマーヤの存在は路行たちにとっては普段と変わらないはずの日常を「謎」に変え、そして彼女の生まれた、いままでまったく知らなかったユーゴスラヴィヤという国のことが路行にとっての「謎」となって彼を動かしていくのですよね。 やってることは前2作の「古典部シリーズ」とわりと同じなのですが、現役高校生が主人公の前2作と較べて高校生活最後の2ヶ月間に起きたことを1年後にふり返るというこの小説は紛れもなく甘くて辛い青春小説で、その甘辛さ(って表現はいかがなものか(^〜^;))はより際立っているように思います。「さよなら妖精」というタイトルも的確。3冊ともミステリーのレーベルから出ていますが、この作品については「ミステリーだ/じゃない」という枠にはありませんね。 ■「ヤングアダルト」という呼び方>この辺は有里さんとこ辺りで補習受けてくるか(^^; おとといの日記でわたしがこの言葉について触れたのは「何が正しい/正しくない」というようなことじゃないのですよね。「ヤングアダルト」という用語に関しては誤解が生まれたりしやすいんじゃないかと思ったので個人的にはこれから使わないようにしようかな……、ということで、基本的には定義とか何を指しているかとかいう話ではないんです。 「萌え」とか「セカイ系」とか「本格(ミステリ)」とか、いろいろ定義論争になったりするような言葉があるわけで「ライトノベル」なんかもその1つですけど(しかし、そんな例えばっかりなのか……(^〜^;))、「ヤングアダルト」という言葉が面倒だと思ったのはそうした言葉の場合とはちょっと事情が違うのですよね。 「ライトノベル」の場合なら、個々の作品に対して「これはそう/違う」というようなことはあっても大雑把に指しているものはだいたい同じで、「ライトノベル」という言葉で想定する作品群が人によってまったく違っていたりすることはたぶんないですよね。でも「ヤングアダルト」の場合はそれがまったく違っているということが有り得るんじゃないか、と思うわけです。 たとえば「ヤングアダルト」という言葉でエヌ氏は「コバルト、ソノラマ文庫、スニーカー文庫……」といったレーベルの作品、エフ氏は「理論社、パロル舎、偕成社……」といった出版社の作品を想定しているということも有り得るんじゃなかと思います。もしそうだとすると何かの話の流れでエヌ氏が「一般小説に対してヤングアダルトは〜」と言った場合に、エヌ氏とエフ氏とではその指しているものがまったく重なっていないわけですよね。でも、そういう時にふたりとも話しているのは実際に「ヤングアダルト」のことであって「少年少女向け小説」のことではあるので別のものを指して話しているということがはっきりとはせず、混乱するという状況があるんじゃないかな、ということです。1対1で話しているのであればそれほど心配することではないかもしれませんが、ネットの場合は話を修正しにくいかもしれませんし。 関係ないですが、コミックブレイドで「西の善き魔女」がコミック化されてるんですね。 さらに関係ないですが、おととい名前を打ち込む時までの15年くらい荻原規子のことを「萩原槻子(はぎわらつきこ)」だとずっと勘違いしてました。おぎわらのりこ。全然違うじゃん……。 2004/3/8 (月) リアルプレイヤーも使えるようになりました。乙。 360度どこにも落とせないブロック崩し(自動ニュース作成) ■グラフィックとテキスト漫画っていうのは表現が絵と文章の両方でされていて、その上にコマを並べたり重ねたりといった、絵と絵の組み合わせという表現もあるわけですよね。ノベルゲームなんかも漫画とはちょっと違いますけど、絵と文章の両方で表現されるようになってます。 それに対してアニメっていうのは、映像にわざと文章を重ねたり映像に映像を重ねたり(こういう場合は「レイヤーを重ねる」とかいうんでしょうか?)という表現をする作品がめったになくて、実写作品(の多くのもの)を模倣するように、映像を直線的に流すだけのものがほとんどのような気がします。 そのあたりFLASHやLittlewitchのFFDシステムの作品なんかを見ていると映像と文章、映像と映像を重ねる漫画的な表現を受け継いでる新しい表現だなあ、と思って魅かれるところがあるのですよね(……といってもFLASHもそれほど見てないですけど)。それでこういった作品を見ていると、どうしてアニメではこういう表現がほとんどなかったのかなあ、という疑問が湧いて来るのでした。 アニメの場合だと、漫画やFLASHと違って製作側の人数も多かったりとか大量生産大量消費されるタイプのものだからとか、だいたいそんなようなことがあるのでしょうか。……まあ、FLASHの文章の場合、音声を入れるよりそっちのほうが都合がいいからっていう理由はかなりあるんでしょうけど。 2004/3/9 (火) 「カラフル文庫」&「カラフル文庫アンソロジー ヒント?」がジャイブから3/8新創刊!!(最後通牒) きのうのhttp://homepage3.nifty.com/utata/の更新がはてなアンテナに反映されないな……。http://homepage3.nifty.com/utata/index.htmlのほうはちゃんと反映されてるようなのですけど。何で……? ドラマティックドラゴンDX1 レンテンローズ 2004/3/10 (水)文庫でクラフト・エヴィング商會の新版 クラウド・コレクターとすぐそこの遠い場所が出るんですね。「新版」ってのは何なのでしょうか。楽しみ。……帰ってきたクラウド・コレクター?? トリビア……。番組の意図とは無関係に、あのミステリで使われていた状況が現実にあったんだなあ、というところが驚きどころでした。……野暮なことをいえば現実にあったほうが先らしい。むぅ。 ■山名沢湖公式サイトミズウミ電報移転発売中の「COMIC HIGH vol.1」に掲載されてる「委員長お手をどうぞ」の今枝さん(メガネっ娘)はいくらなんでもラブリーに過ぎるのではないかと思う今日この頃です。 2004/3/11 (木)■魅惑のビームしばらく前に図書館に行った時の話なんですが、新刊コーナーに並んでいる本を眺めていたらその中に「自動改札のひみつ」とかいうタイトルの本が。……えーっと、つまり自動改札にどんな技術が使われているのかといったことを主に解説してるような本ですね。そのまんまといえばそのまんまです。でも「自動改札の仕組み」とかじゃなくて「〜のひみつ」というタイトルにするだけで、これがやけに面白そうな本に見えて思わず手に取ってしまうのでした。不思議だ。 ■「ないしょの話 もうすぐわたし 誕生日がくるの mmm……」杉山加奈作詞作曲・丸尾めぐみ編曲「声をきかせて」というのはとある番組のEDテーマで、そこでは出演者が歌ってたのですけど、これは本人の歌でも聴いてみたいものだなあ、と思わされてしまう曲なのですよね。――急にこの曲を聴きたくなったのでMAHO堂CDコレクション その3 そんぐ ふぇすてぃばるをかけながらそんなことを書いてみます。一緒に収録されてる松岡由貴ソロ曲も素敵。 2004/3/12 (金) 秋葉原・量販店ビル火災 『たこ足配線』で過電流(夜を往け -Go Through the Night-) 何かよくわかりませんが、 IRCに繋がりません……。 リンク先に追記されたように、上に書いたビル火災の原因について報道されたような事実はないという抗議がされたようです。やっぱり電気屋さんとしてはまずいですよね。……と思ってたのですが、リンク先をまわって見たところいまは電気屋さん関係ないのかな? ■160曲以上を厳選した、NHK『みんなのうた』DVDボックス登場!前に書いたDVDについての記事。 ちなみに、本作は一般発売せずに通販のみでの発売となるそうで、発売は4月23日に、価格はビデオ/DVD共に\40,320(税込)となる予定だそうです。ご購入に関しては、発行元のNHKソフトウェア(tel.03-5478-0780)、または販売元のユーキャン(tel.03-6301-1010)にお問い合わせください。これは“一家に一セット級”な作品ですので、皆さんも是非ともご注目を! ■[感想]「なかよしラブリー 2003年春の号」 質がどうかはともかく(まだほとんど読んでないし)、何回か買ってみているとけっこう書く人が変わってますね。本家(なかよし)で書いてるってこともあんまりないようなので、いいなあと思ってた書き手が載らなくなるとちょっと残念というか心配というか。 山名沢湖「春はバスに乗って」は、「ふわふわ」が強調されているように、「いちご実験室」に収録されたなかよし増刊作品に近い雰囲気で炸裂してますね。これも統一テーマ作品ということになってるみたいですが、思いっきりいつもの山名沢湖です。「メルヘン逃走」を初めとしたアワーズライト作品にも多かった、「子供」から「大人」になるまでのあいだ、「友達」から「恋人」になるまでのあいだ、新しく住むことになった場所での生活が「日常」になるまでのあいだといった、何かから何かに変わっていく、つり橋の上を渡っているあいだの話。空の上を行くバスが素敵です。 そういえばナフタレン水嶋はきららで書いてるのね。そっちのほうが正しいような……(^〜^;) 2004/3/13 (土) 初回限定版 BASTARD!!-暗黒の破壊神- (23) オリジナルフィギュア付き ■[感想]「神は沈黙せず」山本弘 ひと言で言えば「トンデモ本の世界」の著者によるSF。 作中では過去に起こったとされている超常現象などについて語られたり、それらと同じものではないかと思われるような出来事が実際に起こったりもしますが、それらを含めてこの作品の中で語られている理論やエピソードはSFなんかではわりとありきたりと言ってもいいようなものだろうし、そういった小説にあるタイプの驚きみたいなものはそれほどないと思います。話は大きいですが実際に登場人物と言える人間は少なくて、物語はその多くが主人公の独白、それ以外でも主人公と他の人物の1対1で話しているようなシーンがほとんど。そのために超常現象のエピソードや自分の体験について主人公が淡々と記録しているような文章になっているところも起伏のない小説だと感じさせます。文章は平易でわかりやすいのですが、その割りに文章量が多い上に淡々としているのでけっこう時間がかかりました。 でも、面白いです。 冒頭から主人公は同じひとつのことを言っていて、この小説のほとんどは多くのエピソードによってその絶望的といっていい事実を証明していく内容なのですよね。これは作中で主人公の書いたノンフクション作品ということになっているのですが、実際にノンフィクション的な性格の強いSFだと思います。 2004/3/14 (日) 本棚の整理などしてダンボールを減らしてるところです。 はてなダイアリー - かき集めたネタ集 【お薦めライトノベル・ミステリ企画10作品リスト】(TNM) 2004/3/16 (火) メッタ斬り日記(はてなダイアリー - 句読点日記のメモ欄) (゚(エ)゚): 普通に面白い(ARTIFACT −人工事実−) ■[感想]月刊少年エース5月号増刊 エース特濃毎回アクティブに見た目が変化するこの雑誌ですが、今回は「押井守エース」になってました。予告によると次号は清涼院流水エースの予感。買う時にビニールかかってて中が見られなかったのですけど、値段もいきなり200円上がってるし、今回は流石に別の雑誌なんじゃないかと本気でタイトルを2、3回確認しましたよ>表紙 山名沢湖「でりつま」はごちそうさまな感じの1回目の結婚記念日エピソード。しかし、ももえさん夫婦の結婚前ってのがどうにも想像出来ないんですが(^〜^;) ○○○森……ってタイトルが流石。木村ひかげ「スローコミック」シリーズはいつも良いですが、今回は学園ものでまたストレートに良いですね。「一級機械兵」のキャラも良い。そういえばこの掲載ペースとスタイルはアワーズライトでの山名さんみたいな感じかな。くぼたまこと「指輪物語」は飽きて来たところでしたが今回で引き戻し。 2004/3/17 (水) Amazonで何か買うだけで宣伝できる! 鍵の壊れた部屋で見る夢で、MYSCON5 お薦めライトノベル・ミステリ10作品に載らなかったお勧め作品。 リッパーさんにはぜひ参加していただければと思います>このライトノベルがすごい! 2004/3/18 (木) シムシティ・クラシックが無料で遊べるサイト(発熱地帯) ■ごす 小宮日記の「GOTH」評 乙一の独り語りっぽい語り、残酷でない残酷描写、見えないものとのコミュニケーション……といったところは谷山浩子とけっこう近くて、わたしが興味があるのはそのあたりのような気がします。 乙一の場合、1人称の主人公が男性の作品であっても女性の作品であっても、実際に言葉を発しているのはいつも同じ人格の「語り手」のように感じます。それはたとえば谷山浩子の歌で、物語の主人公が男性でも女性でも人間以外のものでも、「ぼく」や「わたし」という言葉を声にしているのは必ず谷山浩子という歌手だというのと同じような感覚です。つまり芝居で役者が主人公の役を演じているのと同じように、主人公の役をこの「語り手」が演じている小説を読んでいるような感覚があるのですよね。 同じ主人公の中に「行動している部分」と「語っている部分」があって、それが微妙にずれているんじゃないかと思います(単に主人公の性格が冷めていて客観的だというところもありますけど)。そのあたりが上に書いたように感じさせている理由のひとつなんじゃないかと。「夏と花火と私の死体」の主人公の場合だと、行動することも思考することも出来なくなっていても語り手としての「わたし」は存在している。どうしてそんなことになっているのかという物語的な「説明」がないのも乙一らしいんでしょうけどそれはともかく、こういったあたり「夏と〜」は特徴的だと思います。 主人公たちは自分が経験する出来事に対する感覚が弱いし、冷めている。そこで「行動している部分」との繋がりが弱いように感じるのですけど、彼らがただの観察者には見えないのはまるっきり3人称的な語り手というわけではなくて「行動する部分」と繋がりがあるからですね。このあたりはたとえば主人公が昔の自分をふり返って語っているようなタイプの作品が持っている効果と近いところがあるんじゃないかと思うのですけど、乙一の「行動する部分」と「語っている部分」はリアルタイムに繋がれているわけで、そのあたりはよくわかってません。 へんな話、こうゆう短編が、電撃小説に送られたとすると、どう評価されるだろう。 ネガティヴなアドヴァイスやファウスト賞のコメントなんかを見るに、「乙一のマネはやめましょう」とか言われそうな気も(^〜^;) 2004/3/19 (金)読売新聞のライトノベル記事(3月17日夕刊)は読みました。別に新聞に取り上げられたというだけで驚くようなことはないと思いますけどね。……(福)の人がいるとこでもありますし(^〜^;) 書いたのは細谷正充という人で文芸評論家となってました。まあ、新聞の一般読者に対する記事としては取り上げ方の偏りなんかがどうかというところもあるんでしょうけど、締めに「現状を打破して、いかにライトノベルをきちんと評論するか。今こそ、それが求められているのだ」とあるのは良いと思います。 箱田真紀画集「R3 R:Cubism 箱田真紀 Illustration Works」 2004/3/21 (日)いろいろありますがとりえずこれだけ。 ■「さなえ様がみてる プリキュア革命」こ、この演出は……と思ったら五十嵐先輩でした。いずみのさんが書いてるように、ギャグにしろシリアスにしろ表情のデフォルメにしろ夕焼けにしろ、どれみすぎ。ここまで来るとBGMすらどれみのように聴こえて来ます。でもまあ、何であれ面白ければ全然オッケーっすよ。五十嵐演出回としてはどれみでもこれくらいの出来のものはほとんどなかったんじゃないかとも思いますし。でも細かいことを言えば、夕焼けはやり過ぎ(^〜^;) それからいま時あんなタイミングで通る電車もぶっちゃけありえない。 こんな機会だし、ついでに書いておくと、どれみがあっち側の世界とこっち側の世界あいだにあって最終的にこっち側を選択する話だとすると(その点で「天夢航海」と近かったりもするわけですが(^〜^;))、プリキュアには(何かわらわら出て来ますけど)こっち側の世界だけなのだろうなあ、と今回を観て思いました。そしてそこにあるのはなぎさ側の世界とほのか側の世界。――とかいうふうに観るのもどうかと思わないわけでもないですが。まあ、設定とあんまり知らないですし、てきとー。 先週と今週あたりは面白かったですけど、特に今週はあくまで単品としての評価なのでシリーズとしてはまだ微妙すぎ。 2004/3/30 (火) このあいだコンビニにて、小学生くらいの子供を母親が「アトム」と呼んでいる場面に遭遇。ちょうどその時立ち読みしていたのが「手塚治虫マガジン」だったのでさすがに聞き間違えかとも思ったのですが、しばらく聞き耳を立てていたらやっぱり「アトム」と呼んでました。 新アニメ版アトム終了。天馬博士のダメおやじっぷりにちょっと涙。 ■このライトノベルがすごい!一般投票が開始されました。……「このラノ」は公式略称になったようで。 一般投票はどなたでも参加出来ます。興味がある方はとりあえず公式サイトにて一般参加の項を読んでくださいね。 ■おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ本編でほとんどなかった誕生日エピソードとかあるんでしょうかね。でも、ひとりずつやるとそれだけでシリーズ(13話)の半分埋まってしまう罠。 ■ごす(とか言いつつ全然「GOTH」とは関係ない日記) その2あいだが空きましたが、前回の続きです。お褒めいただいたようで、ありがとうございます>滅・こぉるさん。 主人公に行動している部分と語っている部分があると書いたのは、谷山浩子もそうですけど、漫画にある作品で主人公の語りがト書きとして入るようなものからの連想でもあります。漫画の表現は小説で言えば3人称的な表現で、登場人物は主人公であれ誰であれみんな同じようにコマの中の絵として描かれます。でも、漫画でもト書きで主人公の語りが入るような作品の場合、絵の中ではやっぱり主人公は登場人物のひとりとして3人称的に表現されますが、ト書きからするとそうして描かれている内容は語り手である主人公が見ている1人称的な世界ということになります。そこには絵の中にいる「見られる(行動している)側」の主人公とそれについて語っている「見る(語っている)側」の主人公が同時に存在しているわけで、乙一の語りに感じているものはこれに近いと思うのです。 主人公の中で行動している部分と語っている部分の重複があることは視点の重複にもなります。乙一の場合と上に挙げた漫画の場合に共通すると思うのは、物語の内側で世界を見ている主観的な視点(1人称的視点)と物語の外から自分自身のことを含めた客観的な視点(3人称的視点)を主人公が同時に持つことです。絵が中心となる漫画の場合と文章が中心の小説ではバランスが違って来るわけですが、たとえて言えば漫画の「ト書き的視点」作品におけるト書きの割合を増やしていけば乙一の小説のようになるようなイメージです(<大げさ)。――という、この段落とひとつ上の段落あたりからビジュアルノベルについての話にも持っていけるような気がしますがそれはまた別の話ということで。 そんなふうに漫画を持ち出して来たところで話が前に書いてたことに絡んで来るのですが。たとえば幽霊のようなものが出て来た場合で書いてみます。 主観的な視点では幽霊に出会うような非現実的な体験をした場合本当に存在しているか本当は存在していないかが問題になって来ることがあります。幻だとか錯覚だとか何らかの精神的な問題だとかいう可能性があるわけですね。そうした出来事を主観的な視点で語っている以上、その体験が「本当」か「嘘」かは自分自身では判断出来ないわけで、そこで疑ったり悩んだりすることもある。 でも、乙一の場合、その出来事が主人公の主観的な体験であるのと同時に客観的な視点でも語られているわけです。主人公自身も幽霊のような非現実的な存在も含めて、外側から物語の世界を見ている。……だからといってその体験が嘘か本当かを判断出来るというわけではないでしょう。そうではなく、この客観的な視点というのは語り手としての視点なわけで、その語り手によって語られる内容はひとつの物語(虚構)になっているということがわかるわけです。そして物語というものでは、物語自体が嘘か本当かということが問題になることがあったとしても、そこで語られる登場人物の体験の一部が嘘か本当かということは問題にならなくなる。――つまり乙一作品の主人公は幻や錯覚かもしれないという疑問を抱かせるような体験を客観的な視点によってそうした疑問を抱きにくい物語へとその場でで語り直しているということなのではないでしょうか。そして物語自体が嘘か本当かという点については、逆に物語の内側にあってそれを主観的な視点で体験している主人公にとっては問題にならなくなるではないかと思います。 こういうふうに(主人公が)自分の体験について語ろうとした場合、普通は手記だとかいった形式で過去の体験(行動、肉体的感覚など)の部分とそれについてあとから語っている部分とに分けて書く形になると思うのですけど、それをリアルタイムでやっているのが乙一なのではないでしょうか。それを「やっている」のが、行動などの部分と語っている部分とのずれとして感じられるところに現れているように思います。そしてリアルタイムで自分の体験を語れること、行動などの部分と語っている部分とのずれが感じられることといった一種の不自然さが主人公の役を演じている「語り手」というものを意識させるように思います。 ■主人公の語りが入る漫画ひとつ上の文章を書く時に山名沢湖や須藤真澄とか意識してたりするのですけど(実際に書いてることとはあまり関係ない気がしますが)、日常に非現実的なことが起こるというだけだなくて、その上にト書きで主人公の語りが入るということなんかも考えてみると漫画ではTONOあたりが最も乙一に近いかも……とか思いました。 TONOについては初期短編集の2冊を1冊にまとめて文庫化した「博士の魚たち+薫さんの帰郷」が出たようなのでお勧め。「夜の子供」や「約束」など傑作です(わたしは単行本でそれぞれ読んでいるので、文庫のほうにすべて収録されているのかわかりませんけど。本屋を覗いたのですが見つからなかったし。Kanameの小部屋によると短編27本収録みたいですね。単行本の目次で数えてみると「博士の魚たち」があとがきを除いて16本で「薫さんの帰郷」のほうが14本だから……(^〜^;))。乙一の「はじめ」あたりも考えてみれば「夜の子供」テーマだなあ、と個人的には思っちゃうんですが。 まあ、そうしたト書きによる主人公の語りが多すぎるというところがまたTONO自体の謎ではあるのですけどね。これについては女性歌手が「ぼく」と歌う場合(以前このあたりで話題にしたのが参考になる……でしょうか?)とひょっとしたら関係があるのかもしれませんが、そのあたりもまた別の話ということで。 2004/3/31 (水) 天変地異ノ終了。 極楽トンボさんは元気だなあ……。 ■[谷山]セカイ系 #3 セ系は"まっくら森"である。セカイ系についてはどうでもいいのですが、「意味や指示内容が不確定のもの」を「まっくら森」と表現しているのが面白いですね。驚きました。 ■>乙一の不思議それは、疑問を抱きにくくするための悪い言い方をするとごまかすためのテクニックなのか、 前回の記事あたりでは「語っている部分の主人公と語られている部分の主人公」というような形で書いてますが、これよりもっと現実的(というのもちょっと違うような気はしますが)な解釈をするなら。 たとえば体に傷を負った時に痛覚を遮断して痛みを感じないようにする。恐ろしい出来事に会った時に感情を遮断して感じないようにする。辛いことがあった時に記憶を封じて思い出さないようにする。――というのは乙一の作品、主人公も連想させますけど、こういうふうに体の痛みや心の痛みを自分の感覚や感情から少し遠いところで受け入れるのと同じように、乙一の主人公は非現実な出来事についてもそれを自分から距離を取ったところに置くことで抵抗なく受け入れることが出来ている、ということなんじゃないかと思います。このあたり「SO-far そ・ふぁー」(@「ZOO」)あたり特徴的かもしれません。 えーっと、あの記事で書こうとしていた漫画についての話題があったのですが、乙一と関係ないなと思ってそれについてはばっさりカットしたので、須藤さんとかはあまり関係なくなってますよね。すみません。 |
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